サムスンが自社製チップ「Exynos」の再起をかけ、本気を出しているようです。

前モデル「Exynos 2500」は歩留まりの低さからGalaxy S25シリーズに採用されず、サムスンは完全にSnapdragon頼みの状況でした。しかし、最新の報道によると、次世代「Exynos 2600」に向けて特別チームを編成し、開発を加速しているとのこと。

Galaxy S26に搭載されるかどうかは年末まで決まらないものの、2nmプロセスを採用したこのチップが成功すれば、サムスンにとって大きな転機になるかもしれません。

Exynos 2500の失敗、そして2600への挑戦

サムスンの自社製チップ「Exynos」シリーズは、ここ数年あまり評判が良くありませんでした。特に前世代の「Exynos 2500」は、製造上の問題で歩留まりが低く、Galaxy S25シリーズにはまったく採用されませんでした。その結果、S25シリーズはすべてQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3 Elite」に頼ることに。これはサムスンにとってかなりの痛手でした。

そんな中、サムスンは次世代チップ「Exynos 2600」で巻き返しを狙っています。新たなレポートによると、Exynos 2600はサムスン独自の2nmプロセス「SF2」を採用しており、すでにExynos 2500よりも格段に高い歩留まりを達成しているとのこと。つまり、「作っても不良品ばっかり」という状態から、「ちゃんと使えるチップが量産できそう」なレベルに改善されてきたわけです。

サムスンとしても、これ以上Snapdragonに頼り続けるわけにはいきません。自社チップをGalaxyシリーズに載せられれば、コスト削減にもつながりますし、最適化もしやすくなります。それに、プライドの問題もありますよね。「世界のサムスンが、自社のフラッグシップスマホに他社のチップしか使えないなんて!」という状況は、どうしても避けたいはずです。

ただし、Exynos 2600が本当にGalaxy S26に採用されるかどうかは、まだ決まっていません。サムスンは2025年5月から本格的な量産を目指しており、年末までに最終判断を下すとのこと。今のところ順調に進んでいるようですが、最後まで気を抜けない状況です。

サムスンにとって、このExynos 2600は単なる新型チップではありません。「Exynosブランドの復活」そして「Snapdragon依存からの脱却」という、大きな意味を持つチップなのです。果たして、Galaxy S26でExynos 2600の姿を見ることはできるのでしょうか?

サムスンが組んだ“秘密部隊”の正体とは?

Exynos 2600の開発に向けて、サムスンは「専属チーム」を編成したそうです。まるで映画のスパイチームみたいですが、これはExynos 2600を成功させるための重要な動き。社内のエンジニアや半導体専門家が集められ、チップの設計から製造までを徹底的に強化するために動いているとか。

このチームの目的は、ズバリ「Exynos 2600をGalaxy S26に間に合わせること」です。サムスンはチップ設計を担当する「システムLSI事業部」と、実際に製造を行う「ファウンドリー事業部」に分かれています。しかし、過去のExynosシリーズでは、この2つの部門の連携がうまくいかず、結果として「性能が微妙なチップ」が生まれることもありました。

そこで今回は、両部門の協力を徹底させるために、特別チームを作ったわけです。新しい2nmプロセス「SF2」の採用に加え、歩留まりの改善にも成功しており、これまでよりも良い結果が期待できそうです。業界の情報筋によると「サムスンのファウンドリー部門は、かなりのプレッシャーを感じている」とのこと。このチップの成否が、Exynosブランドの未来を左右すると言っても過言ではないのです。

とはいえ、技術的な進歩だけでは成功は保証されません。ライバルのQualcommは「Snapdragon 8 Gen 4」で更なる進化を遂げようとしており、Exynos 2600がそれに勝てるかどうかは未知数。サムスン社内では「これがExynosの運命を決める戦いだ!」というくらいの気合いが入っているようです。

果たして、この秘密部隊はExynosの名誉を取り戻すことができるのか? それとも、またしてもSnapdragonに軍配が上がるのか? 次の数カ月が、サムスンにとって正念場になりそうです。

Snapdragon超えなるか?Galaxy S26への影響

もしExynos 2600が順調に仕上がれば、Galaxy S26シリーズのチップ構成に大きな変化が起こるかもしれません。これまでの流れでは、サムスンのハイエンドモデルは「一部の地域でExynos版、他の地域ではSnapdragon版」といった形で展開されていました。しかし、Exynos 2500が消えたことで、Galaxy S25シリーズは全モデルがSnapdragon搭載となりました。

では、Galaxy S26はどうなるのでしょうか? 現時点ではまだ確定していませんが、サムスンとしてはExynos 2600をできるだけ多くのモデルに搭載したいはずです。特に、ヨーロッパや韓国ではこれまでExynos版がメインだったため、Galaxy S26で再びExynosモデルが復活する可能性は十分あります。

もちろん、問題は「本当にSnapdragonを超えられるのか?」という点です。ライバルのSnapdragon 8 Gen 4は、TSMCの3nmプロセスを使っており、かなりの性能向上が期待されています。一方、Exynos 2600はサムスン独自の2nmプロセスですが、過去のExynosシリーズのパフォーマンスを考えると「また発熱や電力効率で苦しむのでは?」という不安もあります。

それでも、今回のサムスンは本気です。専属チームを作り、製造プロセスを改善し、Exynosの名誉回復に全力を注いでいます。「今度こそExynosがSnapdragonを超えた!」と言える日が来るのか、それともまた「やっぱりSnapdragonが正解だったね…」となるのか。

Galaxy S26の発表はまだ先ですが、チップ戦争の行方に注目が集まっています。果たして、Exynos 2600はサムスンを救う“救世主”になれるのでしょうか?

Source:gizmochina